株式銘柄スクリーニング・手法|
株式銘柄スクリーニング・手法|「業績見通しを上方修正した銘柄は有望」は本当か?
「業績見通しを上方修正した銘柄は有望」というのは
本当なのか?
一般的に「業績上方修正した銘柄」は今後も好業績が見込めるので有望な銘柄といわれています。これ本当なのでしょうか?
バックテスト機能を利用して検証してみました。
「業績を上方修正した銘柄」とは
上場会社が決算発表をする際、通期・次期の損益についても予想値を発表していますが、当初予想から一定程度以上の乖離がある場合には、「業績予想の修正」を開示することが求められています。
具体的には、
売上高:10%以上の乖離
営業・経常・純利益:30%以上の乖離
となっています。
業績の上振れは株価上昇のきっかけになりますが、1Qという早い段階での上方修正を行う場合には、堅調な業績が続いているケースが多く、2Q以降も上方修正を繰り返すケースがよくあります。
こうした流れを利用して1Qで上方修正をした銘柄を買うことで、その後の株価上昇で利益を得ようという手法があります。
今回はこの手法が上手くいくのかを検証してみました。
どのようにスクリーニングするのか?
基本条件設定ですが、件数が一番大きいと思われる3月決算の第一四半期での上方修正でバックテストを行いますので、検索基準日を「2019年8月末」、「バックテスト含む」に設定します。
決算月は「3月」のみチェックし、他のチェックを外します。
次に財務条件の設定です。
検索対象は「営業利益」、項目は「業績修正」を選択します。
次に、検索対象とする業績修正が選択できますので「上方修正」を選択します。
また、ソート条件を「取引条件1」、「降順」に設定します。
これで、上昇修正率が大きい順に表示してくれます。
これでスクリーニング設定は完了です。
バックテストの結果を見てみましょう。
バックテストの結果は?
スクリーニングの結果です。
合計22件がヒットしました。
見た感じ結構よさそうな結果ですね。
当初半年くらいでの上昇が22社中20社で勝率は90%超です。(1)参照。
日経平均の上昇率に比べても10ptくらい買っていますね。(2)参照。
コロナ後の株価の戻りも日経平均に比べてかなり高い率になっています。
2019年8月月末結果
パフォーマンスが良さそうなので20年8月末、21年8月末でもスクリーニングかけて確認みました。
20年8月月末は66件、21年津月末は221件ヒットしました。
残念ながらヒット件数が多くなるにつれ、パフォーマンスの平均は低下していきます。
2020年8月月末結果
2021年8月月末結果
ただし、上昇率が高い上位5-6銘柄のみにしぼってみると、どの年度でも比較的によい結果を残しているようです。
どんな銘柄で、どのくらいのパフォーマンスがでているからは是非ご自分で貯めてしてみてください。
--結論--
非常に大きな上方修正を行った銘柄については、その後も上昇している傾向がみられるが、それ以外の銘柄は増減まちまちとなっており一概に上方修正をしたから今後も有望ということではなさそうです。
上方修正銘柄を購入する場合は、上位数社にするか他のスクリーニング条件を加えるのがよいと思います。
なお、今回検証しているのは、業績修正発表日の月末株価が基準になっており、基準としている株価はすでにに業績修正による株価上昇が織り込まれています。
その上昇後の株価が更に上昇するかという検証ですので、お間違えないように。
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